太田光の『しごとのはなし』を読んで…

デッサンと言う礎|デッサンの描き方と基礎

太田光の『しごとのはなし』を読んで…

芸術って何だ!

爆笑問題という漫才コンビを知らない方は少ないと思います。
その二人のうち背の高い方が太田光氏です。

最近(2011年11月頃)彼の『しごとのはなし』というエッセイ集を読みました。
彼の本は小説を含め、3冊ほど読んでいますが、この本は彼の行動の秘密を探る上でも興味深く、一番楽しく読みました。また、彼の作品を制作する上での原動力が書かれている“芸術論”として読むとますます興味深いものです。というか、読んでみれば“芸術論”だったと感じる書籍でした。

下のように5つの章に分かれ、章ごとにテーマがいくつかあり、テーマについて太田光氏が文章を書いています。

ほとんどの文章が面白く、ここで紹介したいものは2つほどあります。

1つは第4章にある『エンタメとアートのはなし』というエンターテイメントとアートをテーマにした文章。
これは、テレビなどのエンターテイメントと世間でいうアートには線引きをしないという内容から話が始まります。結局おもしろいとかカッコいいとか感情が揺さぶられるかが大事と彼は言います。

その後、東京藝術大学の学生たちに「クラシックをやってて不安がないのか?」「油絵が今時売れるのか?」など問いかけた時のことが書かれています。

彼がそこで言いたいのは、過激なことや伝統的なことに縛られて世間受けしようとするより、もっと大衆に支持されることが大事でそのど真ん中で表現できることを考えなければだめなんじゃないの!?と言っています。
その後、普遍的なこともアートには必要だと語りますが、ここでは割愛します。興味があれば読んでみてください。

2つ目は第3章にある『ピュアなはなし』というピュア(純粋)をテーマにした文章です。
彼は小学校時代からチャールズ・チャップリンが好きで、中学校時代には映画監督になりたくなるんだけど、“チャップリンのようなすばらしい映画が作りたいのだろうか”“チャップリンのように有名になりたいのか”悩んだらしいです。

自分の本音はどうやら名声欲の方がどうも強いらしいということに気付いたことで悩むんだけど、その悩みは純粋でなければだめだという思春期特有の自己嫌悪が要因だったみたいです。その後、自問自答の末に彼は無気力感で支配されてしまいました。

その状況から解放してくれたのがピカソの『泣く女』というキュビズム時代に描かれた絵画だったそうです。太田光氏は“表現は何でもアリなんだ”と思い、いい作品が作りたいのも、いい思いがしたいのも全部自分だと思えるようになったといいます。

このテーマでは私小説と純粋な物語としての小説とのこだわりについての彼自身の考察などが描かれていて面白かったです。興味があれば読んでみてください。

私がこの本を読んで一番強く感じたことは、“既成概念”が日常にあり、それを意識することが必要だということです。それは表現者が表現する作品と作品を鑑賞する側にもあり、そこを超越する大衆に支持される方法を模索し発見していくことが必要なのだという思いでした。


しごとのはなし 太田光
内容紹介
情報誌「ぴあ」で約2年間連載した「しごとのはなし」が1冊の本になりました。

「プロとアマのはなし」「お金のはなし」「不景気のはなし」「ヒットのはなし」……
自らの“しごと”にまつわる35のテーマをもとに、
太田光独自の目線でたっぷり語り下ろし!
仕事とは? 世間とは? 個性とは? 表現とは? 人間とは?
日々悩んでいるあなた、人生に迷っているあなた、自分を変えたいあなたへお贈りする、
目からウロコの生きるヒントがここにあります。

内容(「MARC」データベースより)
こんなことを考えながら、仕事をしている。いつもよりちょっとだけまじめに語る仕事のあれこれ。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
太田 光
1965年5月13日、埼玉県生まれ。田中裕二との漫才コンビ・爆笑問題のボケとしてテレビ、ラジオで活躍。文筆活動も活発に行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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笑う超人 立川談志×太田光 [DVD]
デッサンと言う礎より
立川談志氏と太田光氏が対談していて、芸能と芸術の立ち位置などについて話している。それらの論点は非常に面白い。
また、相思相愛の二人の対談であるため、話してる内容に補足や反論が少なく分かりづらい面があるが、アートを考えるうえで非常にためになりそうな内容です。

内容紹介
70歳を越えてもなお、落語(表現)に新たな可能性を求める立川談志が、
近年あまり演じる事のない「黄金餅」「らくだ」の二演目を新たに口演。無観客のスタジオ。
7台のカメラが捉える鬼気迫る談志の熱演は、落語芸術の新たな創造を魅せる。
ふたつの鬼才の対談が通常の「まくら」部分となって各演目に入る構成は、
落語映像の新たな可能性であり、立川談志と太田光のふたりだからこそ可能な表現である。

内容(「キネマ旬報社」データベースより)
人気お笑いコンビ・爆笑問題の太田光と落語立川流家元・立川談志が「狂気と芸術」論をテーマに対談し、狂気と芸術の繋がりを考える。この対談に加え、談志師匠が対談を落語の"まくら"とした演目をスタジオで披露。貴重な談志落語を楽しめる。

内容(「Oricon」データベースより)
立川談志×太田光、落語界とお笑い界のふたつの鬼才が遂に競演!70歳を越えてもなお、進化し続ける立川談志の落語と、お笑いムーブメントの最先端を走る爆笑問題の太田光の夢のコラボレーションが実現した映像作品。

出演者について
立川談志 × 太田光

監督について
今なお進化し続ける 立川談志 の古典落語と、 お笑いムーブメントの最先端を走る 太田光(爆笑問題)のコラボレーションが実現!!

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