デッサンを学ぶ目的を考える|デッサン初心者の練習方法

デッサンを学ぶ目的によって要求される要素や構成手法、知識、技術を考えて、基礎となる造形力を身につける。

デッサンと言う礎|デッサンの描き方と基礎

デッサンを学ぶ目的を考える

デッサン初心者の練習方法|デッサンの描き方と基礎技法

なぜ、あなたはデッサンを学ぶのか

何故、いまデッサンを学ぼうとするのか、今自分自身に問い直してみてください。

漠然とデッサンを学ぼうとすれば、目の前にあるデッサンの迷宮の中でさまようことになり、学ぶべきデッサンの要素を見失いかねません。

つまり、自分自身でデッサンを学ぶ目標をしっかり設定して、デッサンで学ぶべきことを明確にするようにしましょう。

例えばデッサンを学ぼうという動機には以下のようなものがあります。

以上のような理由がありますが、美大芸大進学には更に細分化されます。

以上のように美大芸大の中でもデッサンを必要とする分野は細分化されますが、それらの分野の中でもさらに枝分かれしています。

このように様々な世界でデッサンの要素や構成手法、知識、技術が応用されますが、各分野によって要求されるデッサンの要素や構成手法、知識、技術は違うので、あなたが志向する分野の傾向を考えることが必要です。

それをどのように考えればよいのかというと、例えば、日本画と油画で要求されるデッサンの知識や技術、要素の相違点について考えてみるとよいと思います。

日本画と油画で要求されるデッサンの相違点

デッサンをするときの画材には鉛筆と木炭がありますが、デッサン初心者はどちらの画材でデッサンを描くべきか悩むところです。それを解消するために日本画と油画におけるデッサンの違いを考えてみましょう。

基本的に日本画のデッサンは鉛筆によってデッサンを学び、油画は基本的に木炭デッサンによってデッサンを学んでいきます。

その主な理由は、日本画は彩色を積み重ねるプラスの作業で描かれるためです。その作業に近い画材が鉛筆や水彩で、鉛筆デッサンと水彩画が日本画を学ぶために利用されています。

他方、油画は彩色を積み重ねていくプラスの作業だけでなく、一度描いた絵の具を拭い取ったり、削り取ったりするマイナスの作業も併用しながら描かれます。その作業に近い画材が木炭で、木炭デッサンが油画を学ぶのに適していると考えられています。

そして描かれる日本画と油画の主な特徴は、日本画は平面的であり、油画は立体的であることです。そのような表現を生み出すために必要となる造形の要素は、日本画と油画それぞれに特徴があります。

それを裏付けるように、江戸後期の日本画や浮世絵では西洋の遠近法が積極的に取り入れられました。一方、西洋では同時代にジャポニズムが起き、浮世絵にある色彩感覚や平面性が印象派などに取り入れられていきます。両者にとってそれまでにない絵画の要素が絵画の形態を変貌させた事例です。

■日本画と油画の造形の要素の比較
日本画 油画
  • 平面的である
  • 色彩表現が非現実的で平面性が強調される
  • 形態が独創的だが非現実的でもない
  • 陰影がない
  • 左右非対称の構図
  • 線遠近法が見られない
  • 1:2などの単純な比率の構図である
以上の特徴で描かれた日本画は油画とは異質です。しかし、江戸後期になると西欧絵画が輸入され、日本画にない立体的な絵画の要素(線遠近法、陰影法など)に魅了されました。
  • 立体的である
  • 色彩表現が現実的で再現性が強い
  • 形態が現実的で再現性が強い
  • 陰影がある
  • 左右対称の構図
  • 線遠近法が見られる
  • 1:1.618などの複雑な比率の構図である
以上の特徴を有していますが、印象派以降、西欧絵画は絵画の平面性が強調され、日本画の平面性(色彩表現、形態のドフォルメ)は西欧絵画に強い影響を与えました。

このような視点で他分野を見たとき、例えば漫画ならば漫画的な表現があり、デザインならばデザインなりの表現を見ることができます。その中で、どのような要素が重要でどのような構成力が必要なのかが理解できるようになります。漫画ならば建造物を整然と描くためにパースの原理を学び、人物を自由に描く力を養うためにクロッキーを行うことが重要になります。

これらから分かるように、あなたがどのような分野でデッサンを活かそうとしているのか、その時点で画材の選択方法が変化し、学ぶべき道具が明確になります。そして、デッサンで学んだことが、日本画や油画などの各分野での制作に応用することを可能にします。

このように、自分がどの分野でどのような絵を描くのかによって、画材や描き方などに違いがあることを理解しましょう。

次にデッサンの要素と構成力は何?と思う方もいると思いますので、次に簡単に説明します。

【注意】以上は基本的な考え方であり、道具を限定することを推奨するものではありません。油画は鉛筆デッサンも木炭デッサン同様に多用され、日本画でも木炭や墨汁などによるドローイングが行われています。ここでは、デッサンを学ぶ目的からデッサンから何を学ぶべきなのか明確にして、デッサンを漠然に描くのではなく効率的に描くことで造形の要素と構成力を習得することを目的にしています。

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