モチーフの形と背景の形|トリミングから構図へ

図と地の両方の側面からトリミングや構図を吟味しなければならない

デッサンと言う礎|デッサンの描き方と基礎

モチーフの形と背景の形

トリミングから構図へ|デッサンの描き方と基礎技法

図と地の美しさ

モチーフの形と背景の形図1-トリミングから構図へ 右図にあるのはルビンの壺と呼ばれている図です。壺と意識することでつぼと認識する事が出来ますが、人が向かい合っている図だといわれれば、そのようにも見えるという図です。

壺を認識している時、壺を図と呼び、その背景は地と呼ばれます。人が向かい合っていることを認識した時、それが逆転するわけです。

これは、描かれた境界によって、図と地が反転する錯視が起こる例の一つです。

もし、モチーフが壺でこの絵を描かれたとしましょう。壺を描いたにもかかわらず、人が向かい合ってしまう図も同時に描いてしまい、無意識に面白い絵は出来たが意図したものとは別に、違う要素が加わってしまうことになります。図と地の反転を考慮しないと予期しない問題が起きてしまいます。もし、図と地の反転が絵画を損なう場合は、もっと壺らしい形を探さなければならないでしょう。

何かを描写する時、図の形は意識するが、地の形はなかなか意識しないでデッサンをしている時があるのではないでしょうか?!逆に、図と地の反転を逆手にとって、図の形を追求しながら、地の形で美しい形も同時に追求していければ、より良い絵が生まれる可能性もあるのではないでしょうか?!

トリミングとテーマ

モチーフの形と背景の形図2-トリミングから構図へ 左図の石膏のトリミングは、よく参考作品などでも見られるごく一般的な構図です。さて、何故、石膏デッサンはこのような定石の構図法が存在するのでしょうか。

この一つには、石膏像が持っている全体の美しい形にあるといえます。有名な石膏像自体が美術品ですし、画面から切るところなど本来なら当然ないわけです。だからといって、画面いっぱい入るだけ入れればいい、という考え方も、あまり賛成できません。

学生なら、アトリエが学生で込み合って、描く場所がなく、真横から描かなければならないなんていうこともあります。その時、何を手がかりに構図を探ればいいのでしょうか。

一つには、石膏の形である図と、背景の地のバランスと境界の美しさを追求する事が出来ます。そして、図と地の面積のバランスが重要になってくるでしょう。

左図の構図を考える時、石膏像の形と、その外側から額縁にあたる長方形によって出来た地の形の美しさを意識し、また、図の面積の量のバランスを意識しなければなりません。

あまりにも、図よりも地の面積が多くとられた構図になってしまう場合、地に対する明確な意図が必要になりかねません。そうなれば石膏像を描くというよりも、別に制作の狙いを持たなければならないでしょう。

例えば“孤独な石膏像を表現する”とか、“アトリエの陰気くさい雰囲気を伝えるように描こう”とか。“光り輝くような画風にしあげよう”とか、ただ、単に石膏像の美しさを引き出そうというだけでは収まりがつかなくなるでしょう。

最後に、トリミングで最も基本となるのはテーマにそって形を追求することだと思われます。テーマによってはトリミングの定石など無視することになるでしょう。

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