色彩と明度と構成|平面構成のヒント2 明度の量

ミハイル・シュミアキンの絵画から色彩と明度の構成を学ぶ

デッサンと言う礎|デッサンの描き方と基礎

色彩と明度と構成

平面構成のヒント2 明度の量|デッサンの描き方と基礎技法

ミハイル・シュミアキンの構成

ここではミハイル・シュミアキン(Mihail Chemiakin)というロシアの画家の絵を紹介するとともに、ミハイル・シュミアキンの絵画を参考に独自に分析して書き進んでいきます。

ミハイル・シュミアキンは、1943年旧ソ連で誕生し、第2次大戦後、軍人の父親と共にドイツに渡っています。ドイツで絵画にめざめてソ連で芸術運動をした後に、パリで亡命しヨーロッパからアメリカに移っています。

彼の表現方法や技法はさまざまで、単色の絵画もあれば色彩豊かなものまであります。テーマは生死を感じさせるものが多いです。彼の構成は明度と色彩を巧みにコントロールし、見せるべきものを見せます。面のエッジは強く強調され、全体にわたるマチエールは複雑で魅了されます。

ミハイル・シュミアキンは日本では知名度が低いのですが、参考になる絵画が多数あります。このページではミハイル・シュミアキン(Mikhail Chemiakin)の絵画を3枚、美術教育の発展とミハイル・シュミアキンの芸術の普及のために掲載させていただきました。彼の画集は少なく入手困難ですが、興味があれば次のamazon.co.jpリンクより『ミハイル・シュミアキン 』『Mikhail Chemiakin 』 を検索してみて下さい。

絵画は商業的に流通しない場合、良いものでも鑑賞する機会が少ない奥の深いものです。世の中には埋もれていく素晴らしい芸術作品があり、ミハイル・シュミアキンのようなアーティストを日本人が知る機会が増えることを願います。

色彩と明度との関係性


ストラヴィンスキー,1989,リトグラフ,
76×54,ミハイル・シュミアキン(Mihail Chemiakin),
平面構成のヒント2 明度の量色彩と明度と構成-図1 ストラヴィンスキーのモノクロ画像,1989,リトグラフ,76×54,ミハイル・シュミアキン(Mihail Chemiakin),平面構成のヒント2 明度の量色彩と明度と構成-図2

上の絵を見ていただくと、カラフルな絵画と、それを白黒にしたものです。色のついたほうを見ると青と緑を使った背景があり、その反対色に当たる赤を施したメインモチーフに当たる3人の人間があります。前面の3人に赤をうまく使って視線を集めています。

白黒の方を見ていただくと明度に注目をすると真ん中の人間を除いた2人の人間は背景との明度差がないことで背景に溶け込むことになってしまいます。だが、真ん中の人間にだけ明度を白に近づけることで視線を集めることに成功しているようです。

結果的に真ん中の人間に一番視線が行き、それを挟む2人の人間がそれを支え、絵画全体の装飾に成功しています。2人の明度は背景にマッチし、その背景は2人に使われている色の反対色を使っています。それらが絶妙なバランスをつくり人物を際立たせています。

背景が両端の2人を際立たせ、両端2人が中央の人物を際立たせています。

付け加えると背景の線が中央の人物に集中されていることも見逃せないこの絵の要素です。

単色による単純な明度構成

死の天使,1993,インク・水彩・紙,
76×56,ミハイル・シュミアキン(Mihail Chemiakin),平面構成のヒント2 明度の量色彩と明度と構成-図3右上の絵では黒を所々に、はめ込むようにして、独特な塊を前面に押し出しています。

これは黒の濃淡により実現しているようです。黒の微妙な濃さは画面全体に動きも与え全体にボリュームを与えています。

白と中間色によるマチエールが視線を誘導しています。さらに塊を強調し、遠近感を与えています。



明度による視点の誘導と構成

右下の絵では明度の配分の美しさと、面の形状の美しさが際立っているようです。

ペテルブルグの思い出,1984,リトグラフ,
66×50,ミハイル・シュミアキン(Mihail Chemiakin),平面構成のヒント2 明度の量色彩と明度と構成-図4特に細長い形を作り上げている黒は画面全体に動きを与え、その動きの中に見せたいモチーフを組み込んでいるように見えます。

また、黒と真ん中の白による明るさの差により中央に視線が行き、鳥の頭部に目を移すようにうまく画面を誘導しているようです。

また、この絵画の面白さは、さまざまなモチーフを他のものに暗示させている所や、それらが様々にシンクロしている所です。これらのことを実現するためにも揺るぎのない構成方法を作り上げる必要があります。

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