分割とプロポーションについて|分割とプロポーション

デッサンにおいて分割とプロポーションは形式的な原理であり絶対的なものではない

デッサンと言う礎|デッサンの描き方と基礎

分割とプロポーションについて

分割とプロポーション|デッサンの描き方と基礎技法

分割とは

何かを画用紙に描写した時、意識してもしなくても、必然的に画面は分割されていきます。画用紙のような平面に限らず、ある空間にものを置けばその空間は意識せずとも、ものを置いた場所を基点に分割されます。例えば、テーブルに花を飾ることで、その空間は花の大きさや高さによって花へ注がれる視線の高さや角度は変化していきます。それは、テーブルに配置するグラスや食器などに及んでいくことでしょう。

意識した分割の例として、部屋の模様替えを考えてみると、限られた空間に、限られたものを配置する時、何を考えるでしょうか?機能的な配置、人を招待した時のくつろげる空間、テレビの配置、ベッドの大きさと配置、壁に飾る絵画の大きさ、不要なものの廃棄など色々考えることが出てきます。部屋の機能性は当然考えなければなりませんが、部屋の雰囲気も同時に考えていくことでしょう。また、日常イスに座って過ごすのか?ソファーに座って過ごすのか?板の間の座椅子に座って過ごすのか?その日常の視線も過ごす場所によって変わってきます。それらは、意識すれば統一的な空間へ変化していくことでしょう。この時統一的な空間へ仕上げるのには、何よりもその狙いであるテーマが力を及ぼすでしょう。例えば南国風の空間、ヨーロッパ調の空間などさまざまでしょう。そして、そのテーマによって家具の大きさ配置は変わっていき、意識せずとも分割される線が生まれていきます。

平面も同じようなことがいえます。空と地面とを分ける地平線をどの位置にするのか?その中で人物を描く時、どの位置に、どれだけの大きさで描くのか?それは、さまざまなものを配置することで生まれる心理的効果も伴って、統一的な分割方法が画面を支えることになります。絵画を描く場合は、作者のテーマや狙いを支える構成要素になる分割方法が必要でしょう。

プロポーションとは

プロポーションは、分割することによって生じた形同士、全体の形と部分的な形、部分的な形同士のバランスと数量的な比例関係をいいます。それは、部分同士が支えあい、全体を形成していることを意味しています。そのプロポーションを維持するためには画面を支える統一的な構成原理である分割方法を研究することは必要です。

プロポーションを維持したり、理想のプロポーションに近づけるために昔から、黄金比や数列が利用されていました。また、統一的な構成原理であるシンメトリーと分割を組み合わせた造形も壷や盃、建築などに古くから多くみられます。
日本では畳や障子などに見られるように、等量分割が多く利用されている傾向があります。

分割とプロポーションは形式的な原理である

分割やプロポーションにおける数理的な定理は、作品において決定的なバランスの良し悪し、美しさ醜さを決めかねないものです。しかし、作品の意味内容、テーマ、目的を切り離して、分割とプロポーションという形式的な原理だけに基づいた作品に魅力があるかどうかは疑問があります。この形式的な原理は、作品を制作する上での一つの構成原理の一つと考えるべきで、色、バランス、リズム、ムーブマン、マチエールなどさまざまな構成要素と一体になることが、分割とプロポーションを考える上で重要でしょう。

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