デッサンとモチーフの明暗|影の描き方

モチーフの明るい所と暗い所を理解したデッサンの描き方

デッサンと言う礎|デッサンの描き方と基礎

デッサンとモチーフの明暗

影の描き方|デッサンの描き方と基礎技法

光源とモチーフと観察者

光源からの光の状態、モチーフの形状、モチーフを観察する人の視点によって見ているものの見え方が違います。それらの3つの関係は同じものがありません。だから、今あなたが見ている物を、ほかの人が同じようには見えていません。

ある光の状態を写実的に再現させようとデッサンで描くとき、3つの関係性を意識しましょう。モチーフに照射する光の状態一つ一つの相関関係を描くことで、立体感や空間を表現することが可能になります。

一定の光によって生まれるモチーフの明るい所と暗い所の状態は誰がどこにいようと変化することはありません。観察者の視点によって見え方は変化します。逆光から見るか、順光から見るかということにもセンスが問われます。

光源からのモチーフの距離

光は光源の強さに比例して強くなります。しかし、光源からモチーフが離れるほど、モチーフにあたる光の強度が弱くなり、密度が減少するため暗くなっていきます。

下図は光源が発する光の方向に対して、同じ向きに向けた面A~Eです。A~Eの順番で面は光源から離れていて、離れるほど暗くなっていく様子を表しています。

デッサンの光源とモチーフの距離

光に対するモチーフの面の向き

光源から発せられる光の向きに対してモチーフの面が向き合っている場合、向きの方向によって明るさが違います。面が光に対してまっすぐに向き合えば光を多く受けて反射し、明るくなります。面が光の方へ向いていなければ光は減少し暗くなります。

下図では、光源の光が面A~Dに対して直接照射する関係を簡単に説明しています。
光源の発する光の方向に対して面Aが垂直に向いているのでA~Dの面の中で一番明るく、光源の光の方向に対して面が垂直の状態から傾斜するほどB、Cの順番で暗くなっていきます。面Dでは、光が直接あたることがないため陰になります。

光に対するモチーフの面の向き

モチーフの明暗境界線

モチーフは基本的に明るい部位と暗い部位の2つに二分されます。下図で表現しているのは光源の光に照射された球体の明部と暗部の状態です。太陽の光が照射した月を思い浮かべればわかると思います。月は半月でも三日月でも明るい所と暗い所が二つにはっきり分かれて見えます。

下図の様子は天体レベルだと見ることができますが、机の上にボールなどの球体を用意し、光を照射したときにはこのような状態に見えることはありません。それは、さまざまに反射した光が球体の暗部にも入り込んで微妙な変化をつくるからです。

ただ、ここで覚えておきたいのは光源より照射された光は物体を明部と暗部の二つの領域に分けているということです。この図の球体に光が直接あたる明部と光が直接あたらない暗部の境界線を明暗境界線といいます。写実的なデッサンや絵画の制作では、この明暗境界線を理解しているか否かで作品の出来が違いますし、その作者の技量がわかります。

デッサンと明暗境界線

デッサンでの明暗の描き方

写実的に再現するデッサンでは明部と暗部の描き分けはモチーフ自体の反射力と光の強さなどを同時に描き進めることが求められます。

そして、画用紙の画面の中へ現実に見ている関係を再構築するのです。よく、学校でデッサンをするとき“見えるように描け”と講師が言うのは“見える関係性を描け”ということです。

現実を再現するデッサンの能力が身につけば、メインモチーフとサブモチーフの描き方を独自に変化させたり、画面の明暗差をコントロールして力強い作品にすることができるようになるでしょう。

ただ、明暗という絵画の要素だけでは、写実的に再現させるデッサンや絵画作品としては不足気味です。そこで陰影や反射光、ハイライトなど光が織りなす現象を、デッサンや絵画の要素として取り込んでいかなければなりません。

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