デッサンと言う礎 | デッサンの描き方と基礎技法 デッサンと言う礎 | デッサンの描き方と基礎技法

平面構成と制作の流れ

デザインと絵画の仕事の流れから構成方法の違いを知り、独自の平面構成を確立していきましょう。

デザインの仕事

デザインの現場は一体どのようなものでしょうか。

仕事としてデザインをするとき発注元のクライアントがいて、その要望にこたえることは重要です。

制作されるデザインに宣伝効果、認識力がなければ意味のないものでしょう。

基本的にデザインは商業的なものであったり、社会貢献するべきものだと思います。

あるデザインによって商品が売れたり、大多数の人が喜んだり、美しさを感じたり、幸せにならなければならないでしょう。

デザイン制作に携われば、クライアントや多くの人を納得させ、感動させるデザイン能力が必要になってきます。

そのためにも、多くを経験したり、感動したりして、それらを多くの人と共有できるデザインの能力を養う必要があります。

デザインのテーマは無限で、その引き出しを多く持つようにしなければなりません。

テーマを表現するためには造形要素を学ぶこと、デザインの技術を習得すること、構成する能力を高めることが必要です。

デザインの構成と制作の流れ

▼仕事の依頼


デザインのテーマ、目的を理解する。

▼デザイン作業のはじめ


・テーマ、目標の設定
・制作の計画を立てる。
・資料の収集、依頼されたデザインにかかわるさまざまな調査と分析をする。
・誰にも理解できるコンセプト(考え方、概念、構想、方針)を決める。

▼構成


・造形要素の選択をする。
・モチーフを選択する。
・画材を吟味する。
・表現技法を吟味する。
・構成手法を設定する。

▼作品としての制作へ


・エスキースなどで試作を繰り返して突き詰め、造形要素と心理的効果がねらい通りか確認し、作品制作に取り組む。
・作品制作で構成手法を駆使し、構成の効果を吟味する。

▼作品を完成させる


・クライアントの依頼に反していないか、当初の目標に達しているのかを確認し完成させる。

以上のような例を参考に自分独自の仕事の流れ、スタイルを作っていくことが大切です。

ここでは主に、デザインの現場を主に紹介しておりますが、何かを表現するときの参考になると思います。

あなたがデザイン志向なのか、絵画などによる自己表現志向なのかで表現手法、構成手法は違うと思いますので、次に絵画の仕事について考えてみます。

絵画の仕事

絵画とデザインの仕事の違いは何でしょうか?

デザインは美しく、人を幸せになる心地よいものでなくてはなりません。一方、絵画は自己表現なので、特に美しいものである必要はなく、心地よいものである必要もありません。

また、クライアントや多くの人に認められなければ商品にならないのがデザインです。その反対に、少数の人にでも理解されれば表現する意義があると考えられるのが絵画です。

デザインは時代に則していて社会に貢献できますが、絵画は時代に逆行したり社会を超越する哲学的な表現である場合があります。

絵画を制作するためにはデザイン同様にテーマが必要です。テーマはデザインと違い、あまり変わることがないのが絵画の特徴です。

そして、テーマのための造形手法が設定されますが、テーマについて多くを経験したり、感動することはデザイン同様に必要です。

しかし、絵画はデザインとは違い、造形要素が具体的なモチーフから離れて自律する場合があります。その場合、造形要素による独自の絵画空間を完成させることがテーマになります。

それらのテーマを表現するためには造形要素を学ぶこと、絵画の技術を習得すること、構成する能力を高めることはデザイン同様に必要です。

絵画の構成と制作の流れ

▼仕事の内容


・個展やグループ展などでは、描ける絵画の制限を明確にする。

▼絵画制作のはじめ


・テーマの設定をする。絵画のテーマはデザインと違い、すぐに変更されるものではなく、時には一生追求するものです。
・テーマに関わる資料の収集、テーマにかかわるさまざまな調査と分析が必要です。
・自分独自の絵画のコンセプト(考え方、概念、構想、方針)とシステム(小説で言えば文体、文脈)を確認する。

▼構成


・造形要素の選択をする。
・モチーフを選択する。
・画材を吟味する。
・表現技法を吟味する。
・構成手法を設定する。

▼作品としての制作へ


・エスキースで試作を繰り返して、造形要素と心理的効果がねらい通りか確認し、本画に取り組む。
・本画で構成手法を駆使しながら、構成の効果を吟味する。

▼作品を完成させる


・当初の目標に達しているのかを確認し、本画を完成させる。

デザインと大きく違うことは、テーマが独自であることです。

構成手法はテーマと表裏一体です。テーマにあった構成手法は制作者独特の傾向がみられます。

そのような構成手法から制作される作品は似たものになりますが、誰にも真似できない魅力のある表現ならば、見るものを飽きさせません。

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