デッサンと言う礎 | デッサンの描き方と基礎技法 デッサンと言う礎 | デッサンの描き方と基礎技法

色の扱い方と分類

色について考えるときに役立つ色の種類や分類、扱い方を学んで色彩表現に応用しましょう。

色の扱い方による分類と言葉

デッサンや絵画を制作する中で混乱する語句として固有色などがあります。固有色は実際に見ている色なのか、人に物の色を説明するときの色なのか、混乱することがないでしょうか?そこで、色の扱い方の違いの分類を下記にまとめてみます。

固有色
固有色は通常、太陽光の下での認識される色です。しかし、光の状態は一定ではありません。
また、人に説明するときの色ともいえます。例えば自分が買った洋服の色を友達に説明する時に、言葉として使われる色がその洋服の固有色になります。ベージュのコート、ターコイズブルーのワンピースなどです。他にリンゴなら赤、キュウリなら緑、タイヤは黒、空は青、雲は白…など。
デッサンや絵画で“モチーフの固有色を表現しよう”と言う場合、“見えているモチーフの色相や明度、彩度の特性をもっと感じて表現しよう”という意味があります。
自然色
自然色は、あらゆる光の下、現実に見ている実際の色のことです。デッサンや絵画制作でのモチーフやモチーフを観察するときに見ている空間やモチーフ自体の色相、明度、彩度、陰影のことです。
独自色、任意色
独自色、任意色とは主観的に選択した色のことです。絵画制作などではアーティストの個性が独自色に出るといえるでしょう。しかし、闇雲に奇抜な色を使うことが良いとは言えず、その色の意味や動機が問題になります。技術的には反対色を利用する場合があったり、下地に特定の色を使い、その色をコントロールしながら作品を制作する場合などがあります。
記憶色、期待色
記憶色は、人がものについて記憶している色で、イメージしている色といえます。多くの場合、記憶色はそのものの色の特徴を強く記憶している場合があります。一般的には明るい色はより明るく、暗い色はより暗く、鮮明な色はより鮮やかに、鈍い色はより鈍く記憶される傾向があります。記憶色は写真や印刷の業界で多く使われる言葉で人の記憶色に近づける加工の工程での必須用語といえます。

固有色と違う点は、イメージが入り込む点できれいな色だとか、くすんだ色だとか、鮮やかな色だとか感情が入り込んでいる色になり、それは実際の色とは違った期待される色であり、期待色とも呼びます。例えばリンゴを食べることが何より幸せな人にとって、おいしそうな新鮮な赤い色のリンゴが記憶色である場合、実際の赤いリンゴよりも鮮やかな赤い色のリンゴが、その人を満足させます。

絵画制作をする中での色の扱い方

絵画の画面にある複合的に組み合わされた色彩は流動的に役割や意味合いが変化します。絵画にとっての色は、その色が絵の中でどのように見えるかが肝心なことです。

絵画の中の全体的な色彩の構成や色数や量は、ほかの表現では真似ができない要素です。そこに見られる色彩の意味や色彩の3属性、色彩の形態、それらのコントラストの強さなどを絵画上で決定するのは、絵画制作をする上でのテーマや目的になります。

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