デッサンと言う礎

デッサンの意味と目的

デッサンは絵画や造形を見る能力を高めます。そして、デッサンの描き方や能力を高めることで、視覚的感性を高めることができます。

デッサンは思考するための言語である

現在デッサンは、インターネットや絵画教室、本、カルチャー講座において学ぶことができます。

その目的はさまざまで、"絵が好きでうまくなりたい!"という方は多くいることでしょう。"造形の基本を学びたい!"という人は少ない方だと思います。また、絵がうまくなるためにはデッサンを学ばなくてはならないという強迫観念をもっている方もいるのではないでしょうか?

そもそもデッサンの意味と目的は一体何なのか、自分なりに考えてみることは必要かもしれません。

一般的にデッサンは、何らかの造形作品を制作するための修練の方法として位置づけられています。また、デッサンの最終的な目的の一つはセンスを磨くことです。それは、洗練された色彩と形態を駆使して自分の感情や考えを表現していけることです。また、デッサンによって培われた作風、理論、技能などが作品へと高められることは、自分のみならず、作品を取り巻く世界の財産になることでしょう。

しかし、2次元であるデッサンにおいてできることに限界があるように思われます。デッサンを学ぶことで映像作品や立体作品などに関することをそれほど多く学ぶことができるのか?という疑問です。

しかし建築や立体を設計図として、映像やアニメーションを絵コンテとして平面上に表現することは可能です。平面は立体的なものや動きをともなう表現を簡単に誰にもわかりやすく伝える道具の一つとして考えることができます。それは寸法や時間のみならず、感情、思想さえも表現することが可能です。そのような平面のさまざまな情報は視覚に伝わり、個々の頭の中でイメージとして広がるものなのです。そして、イメージは3次元の生活の中で応用されていかれるものとなるでしょう。

私たちは通常の生活の中で言語で考え、言語を駆使し、意見を言ったり、冗談を言ったりすることで生活を豊かにし、自分を表現しています。デッサンは生活を豊かにするセンスを高めるため、また自分を表現する作品を制作するための言語を育て上げてくれるものです。そのようなデッサンをすることは、表現したいものに達するための思考そのものといえます。

デッサンと文章の比較

デッサンを文章と比較した場合、多くの要素に分けて考えることができます。それを下記の図のように表記してみました。

デッサンと文章の比較 ※これは一つの考え方としての例です。
文章 デッサン
統一されたテーマ、対象 統一されたテーマ、対象
単語、助詞、句読点 点、線、面、色
修飾語 質感、色相、彩度、明度
段落 色彩と形態
文脈 色彩と形態同士の関係、遠近感、量感、動勢
一人称、二人称、三人称、季節、時代 一人称、二人称、三人称、季節、時代
構成原理と心理 構成原理と心理

例えば、文章を形成する小さな要素だと単語や助詞などがあります。それをデッサンでは点や線などとして捉えてみることができます。

文章による要素が組織的に構築されれば、日記や小説、論文などが形成されていきます。一方、デッサンで学んだ要素を組織的に構築する方法を学べば、絵画やイラストを創作するすることができたり、立体作品へ向けた造形物を生み出すための考え方を身につけることも難しいことではなくなります。

デッサンをしていく中での理想的なサイクルの例

  1. 表現したいことがある。センスを高めたい。
  2. デッサンをする。
  3. 造形の要素を学ぶ。
  4. 造形における心理に気づく。
  5. 表現するための構成原理を身に付ける。
  6. 作品を仕上げる。または生活におけるセンスが高まる。
  7. 更に、表現したいことがある。センスを高めたい。
  8. 2.にもどる。

ここでは一つの例を示しました。当然、デッサンだけで造形能力やセンスが高まるものではありません。このサイクルの中に、独自に身につけたい分野の研究を組み込むと良いと思います。

絵画を描く目的でデッサンを学ぶのであれば、油彩や水彩、イラストなどの分野へどのようにデッサンを活かせるのか研究する必要があります。

よく使われるデッサンの言葉と定義

デッサンの要素
構図、構成、認知現象、コントラスト、バルール、遠近法、心理的効果などたくさんあります。
デッサンのコツ
デッサンの要素を駆使していくことで、説得力、認識力のある描写を実現させることです。
デッサンのポイント
デッサンの絵画空間を実現させるための的確な技法と構成手法の要点です。
デッサンの技法、技術
デッサンの要素を駆使して描くために、画材や道具を使いこなすための方法です。
デッサンの練習
自分のイメージ通りの表現を実現させるために、デッサンの要素を吟味して、デッサンの技法を磨くことです。
デッサンの描き方
自分独自のデッサンの練習方法を確立していくのと同時に確立されていくものです。
デッサン力
独自のテーマや要求された課題のために、必要なデッサンの要素を吟味して、イメージ通りにデッサンを具現化できる技術、技法および総体的な描き方です。

デッサン描き方と基礎技法-目次