デッサンと言う礎

右脳で自由に描く

右脳の能力を最大限に引き出せば、乗り物を自由に操縦するようにデッサンが感覚的に描けるようになります。

左脳ではなく右脳で絵を描く

左脳は言語分野をつかさどり、右脳は感覚分野をつかさどると考えられています。この右脳と左脳の機能から絵画やデッサンにどのような影響があるか考えてみたいと思います。

通常私たちは言語分野をつかさどっている左脳優位で生活しています。論理的で合理的な行動や考え方を決定するために左脳が優位に働いています。そのため、多くのデッサン初心者は左脳優位で描いたデッサンになりやすいものです。

左脳優位で描かれたデッサンは、論理的で合理的だから良い作品ができるのではないかと考えるかもしれません。しかし、感覚や感性の多くは言葉に置き換えられない部分が多く、説明できないけども良い作品や、感動できる作品があります。そのような良い部分を左脳は見落としやすいと経験的に考えています。

一方、右脳で描くことは、感覚分野をつかさどる右脳を使って描くということです。右脳が優位になると多くの作業を直感でこなすことが容易になります。例えば、多くの人は自転車に乗ることや泳ぐことは言葉で教えてもらうより、感覚で身につけることができたと思います。自動車教習所では運転の方法の多くを言葉で教えてもらうことはないと思います。自動車の周りを歩き回り大きさを知り、実際に運転する中で多くの情報を感覚で処理しながら運転方法を学んでいたと思います。

このことから、デッサンを学ぶとき、あまり論理的で合理的な説明は、感性や感覚を抑制することにつながります。一つ一つの造形の要素を学ぶとき、言葉による説明は年を重ねるごとに必要となります。しかし、言葉で納得しなければ絵やデッサンを描けない状態では上達は難しいのです。デッサンや造形能力は論理的に理解するよりも制作して感じることを重ねる方が上達していきます。

左脳優位の状態から右脳優位の状態になると、それまでよりも絵を描くことは自由であることが分かり始めます。そして何よりも制作することが楽しくなります。右脳の感性や感覚を抑制していたものが左脳によるものであることも理解できるようになります。

このように左脳による抑制、言ってみればブレーキがかけられている右脳の能力を開放するために、子供の時に描いていたような絵を描くことをおすすめします。

最初は感覚だけで描く絵は独りよがりで、見る人に共感も感動も与えられないかもしれません。しかし、右脳の感性、感覚を全開にした状態を体感することが大切です。

子供のように自由に描く

左脳から右脳優位の絵の描き方へ移行する方法はさまざまにあります。その場合、画材と描き方はできるだけ限定せずに制作に向き合う必要があります。

このとき絵を描く上での限定と指示がなくなります。ここで躊躇してしまう人は左脳優位の人が多いです。日常の仕事や勉強では一定期間内に決められた量を限定された手法でこなすことが求められると思いますが、限定されたものがなくなることで躊躇するのかもしれません。そのような人は子供のころに自由に描いていた絵を思い出してみてください。

子供のころ自由に描いた絵は何かを手本に描いたものではなく、自由なものでした。描き方や技法などという考えなどなく、思いのままに手を動かして描いていました。それと近い描き方で絵やドローイングを描いてみることをお勧めします。

絵を描く原点に返ることで、右脳の活動を開放して、絵の描き方や基礎といった考え方を抜きにした感覚で描くことを実現します。

デッサン描き方と基礎技法-目次