抽象的な視点と構成|平面構成のヒント2 明度の量

ホルスト・ヤンセンの抽象的絵画から明度のバランスや構成を学ぶ

デッサンと言う礎|デッサンの描き方と基礎

抽象的な視点と構成

平面構成のヒント2 明度の量|デッサンの描き方と基礎技法

ホルスト・ヤンセンを通して抽象的絵画を考えてみる

ここではホルスト・ヤンセン(Horst Janssen)という偉大な画家の絵を紹介するとともに、ホルスト・ヤンセンの絵画を参考に独自に分析して書き進んでいきます。

ホルスト・ヤンセンは、1929年11月14日ハンブルク(独)で誕生し、1995年8月31日オルデンブルク(独)にて逝去しています。線描に魅力があり、コントラストの強い絵画が多く、版画や水彩画、色鉛筆での作品が多いです。彼独自の世界観を愛する者は多く、世界的に有名な画家です。あまりにも、日本では知られていないのが不思議です。

日本ではホルスト・ヤンセンの絵画が難しく見えるし、教科書や美術書に掲載されていても、その独特な主題や画風は簡単に心に入り込んでくるものではないかもしれません。NHKの『日曜美術館』などで取材されれば、日本人の絵画への意識が少し変化するかもしれませんね。

ホルスト・ヤンセンの絵画の好き嫌いはあっても、彼のデッサン力や絵画の技法は多くの人に参考にするべきものがあります。

このページではホルスト・ヤンセン(Horst Janssen)の白黒にした絵画を4枚、美術教育の発展とホルスト・ヤンセンの芸術の普及のために掲載させていただきました。彼の画集は数多くありますが、多くが入手困難なものばかりです。興味があれば次のamazon.co.jpリンクより『ホルスト・ヤンセン』『Horst Janssen』 を検索してみて下さい。

抽象絵画から見る明度の構成

ホルスト・ヤンセン(Horst Janssen)の絵画から平面構成のヒント2 抽象的な視点と構成-抽象絵画から見る明度の構成1 ホルスト・ヤンセン(Horst Janssen)の絵画から平面構成のヒント2 抽象的な視点と構成-抽象絵画から見る明度の構成2

さて、前のページで明度の幅や量によって、見る人に与える印象は数多くあることが分かったと思います。そこで、もう少し明度に焦点を当てて踏み込んで考えてみたいと思います。

大きな3つの明度の量はそれぞれに、画面上で離れて存在したり、固まって存在したり、様々です。時には水玉のように群れになって塊を形成するかもしれません。そういったことで人に与える印象の幅は広がっていくでしょう。

ここでは、描くモチーフが決まっていても、その形態をあまり考慮しないことにしましょう。描きたい印象やテーマを、いかに表現できるかを考え、明度の幅や配置を意識して考えたいと思います。

上のホルスト・ヤンセンの2枚の絵を見ていただくと、非常に抽象的なものであることが分かります。具体的なものがあるようでない、という感じがします。人それぞれ、色んなものとして映るでしょう。また、それ以上にどんな印象、感情が起こるのかを考えてみてください。テクスチュアが気になる方は、目を細めることでより明度のみを実感できるでしょう。

左の絵では中間色が多く使われています。その中心に明度差の大きい黒と白を配置しインパクトのある見せ場をつくっています。

右の絵では中間色の地を2つに大きく分けていて、その上を細長い黒い線上のものがうごめいていて、全体的に暗くはあるものの、黒をうまく使っていることでインパクトがあります。

これらの絵画に対してテクスチュアを抜きには語れませんが、ここでは明度の大きな配置とそれらの明度の変わり目を特に注意して研究することが大事だと考えます。

単純な明度構成にあるインパクト

日本のハーゲンベッグ(義亮による)-Japanese Hagenbeck(after Yoshiaki)-,ホルスト・ヤンセン(Horst Janssen)作,1971.11.1右の絵では、全体を白と、白に近い灰で構成しています。

その中にポイントとしての黒を離れた距離に配置することで広がりと動きをつくっていて独特の空間を生み出しています。

この絵を見ると複雑さが画面をつくり上げるのではないことがわかります。

単純さの中にも、テーマ、コンセプトがあることで狙いを見るものに印象付けることができることが大事なことだとわかります。

明度の構成のバリエーション

北斎の散歩(Hokusai's promenade),ホルスト・ヤンセン(Horst Janssen)作,1971.10.27こちらの右の絵では、明度を先に構成して、その後に明度の構成を崩さないようにモチーフを入れているように見えます。

顔であるにもかかわらず、頭部固有の明度を排除して、構成の要素の明度とその配分を意識し、崩さないようにしていることで、まだらな頭部が描き出されているように見えます。

もしそうならば、作者の狙いを持った明度の配分を維持しつつ、描きたいモチーフを描くことは、モチーフは副次的なものに過ぎないともいえるかもしれません。

テーマを抜きにすれば、これを顔でなくかぼちゃにしても、大きな印象は変わらないでしょう。

平面構成のヒント2 明度の量-目次

次のページ>Page03-色彩と明度と構成

平面構成のヒント2 明度の量TOP


ページの上へ