パイナップル-鉛筆デッサン描き方
学生が描いた鉛筆デッサンの解説です。パイナップルの鉛筆デッサンの描き方講座は学生によるデッサンの練習のドキュメントです。このパイナップルのデッサンの過程を参考にして独自の描き方を模索しましょう。
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パイナップル-鉛筆デッサン[YouTube動画]
パイナップルのデッサンの動画と共に、このページのデッサン制作過程の解説も参考にしてください。
※この動画は静止画像の連結動画です。
鉛筆デッサンのモチーフ(パイナップル)と画材
パイナップルのデッサンに取り組みます。
パイナップルのデッサンは難しいですが、基本的なことをしっかり描くことが描ききるカギになるでしょう。
パイナップルの実の凹凸や陰影の変化は、しっかり球体を意識することが大切で、その上で実のしっとりした感じや重量を表現するようにしましょう。パイナップルの葉は一枚一枚をしっかり描いていくことが必要ですし、手前の葉と奥の葉の描き分けが空間を生み出してくれるでしょう。
【サイズ】35.5×27cm
【材料】画用紙[HOLBEIN,DRAWING BOOK F5,No.30A-2,205g/㎡,R画用紙、中性紙、厚口]、鉛筆、練り消しゴム、プラスチック消しゴム、ティッシュペーパー、サッピツ、定規、はかり棒
パイナップル-鉛筆デッサン描き方・制作過程
パイナップル-鉛筆デッサン描き方・制作過程1
まず、パイナップルと同じ大きさに描けるくらいの画用紙を用意します。最初に画用紙の中心点を定規で測って十字に線を入れています。
パイナップル-鉛筆デッサン描き方・制作過程2
画用紙の中心点を基準にして、パイナップルを真ん中に配置しています。多少、画用紙の下に余白をあけているようです。
全体の形を配置しながら部分部分の葉の位置を決定しています。その際、それぞれの葉の先端を点として、三角形を作り、比率を図り棒で計測しながら描き進めていきます。
パイナップル-鉛筆デッサン描き方・制作過程3
パイナップルの実は斜めに線を入れてクロスさせていき、凹凸による動きを大まかに描写しています。クロスした点の位置を修正しながら一つ一つの凹凸の形を描いていきます。
パイナップル-鉛筆デッサン描き方・制作過程4
主に陰影の強い部分から描き進めています。
描いている間は手前と奥の描き分けを意識するとよいと思います。風景画でいう近景と遠景の描き分けに似ているでしょう。
パイナップル-鉛筆デッサン描き方・制作過程5
パイナップルの実の全体の立体感を意識しながら陰影を描いています。部分部分の凹凸をあまり意識しないで全体の立体感を優先させます。
ただ、全体を描きながら部分部分の凹凸の陰影も描いてバランスをはかっているようです。
パイナップル-鉛筆デッサン描き方・制作過程6
手前と奥の葉を中心に描き進めています。
葉を描くときのコツとしては、手前の葉を描くとき、背景になる葉の明度を意識して描いていきます。手前が奥の葉よりも明るければその明度差をしっかり描いていくことで葉を浮き立たせることができます。一枚一枚の葉の明度差をしっかり追うことで全体の整理がついていくでしょう。
パイナップル-鉛筆デッサン描き方・制作過程7
パイナップルの実の描写については回り込みと手前での描写に変化をつけるようにしましょう。
球体である全体の立体感を重視しながら回り込み部分を描いています。その時、部分部分の凹凸の陰影のトーンをつけながら全体の陰影のバランスに注意を払いましょう。
パイナップル-鉛筆デッサン描き方・制作過程8
葉を描くときは質感描写にも変化をつけなければならないでしょう。
たとえば、手前と後ろの葉との距離感を意識して背景になる葉の質感描写の描きこみに差をつけるようにするとより立体感が出てくるでしょう。手前と後ろの葉の距離が離れれば背景の質感描写の位置を離し、近ければ描写位置を手前の葉に近づけたりします。
パイナップル-鉛筆デッサン描き方・制作過程9
このあたりで葉の全体像が見えてきて描きこみが容易になってきました。
パイナップル-鉛筆デッサン描き方・制作過程10
パイナップルの実の部分の手前のディテールを描いています。パイナップル全体のバランスも考えながら描写しなければなりません。
パイナップル-鉛筆デッサン描き方・制作過程11
パイナップルの実のディテールを描き進めながら、実にある特有の質感やニュアンスをも描き進めていきましょう。場所によってはディテールの描写を省略していくことも必要です。
パイナップル-鉛筆デッサン描き方・制作過程12
さらに葉の描写を行い密度を上げています。
パイナップル-鉛筆デッサン描き方・制作過程13
パイナップルの実の球体の立体感を損なわないように部分部分の凹凸を描き進めています。
実の球体は密度を上げるためにサッピツやティッシュペーパーなどでしっとりした部分を描写しています。
パイナップルによりできた投影を描いています。このとき、手前と奥の影を描き分けると奥行きがでてきます。
パイナップル-鉛筆デッサン描き方・制作過程14
さらにパイナップルの実の描写をしています。
パイナップル-鉛筆デッサン描き方・制作過程15
このあたりでは全体の陰影のバランスをしっかり見直しておいたほうがいいと思います。
パイナップル-鉛筆デッサン描き方・制作過程16
固有色や陰影をしっかり描きながら質感を壊さないように維持していかなければならないでしょう。
パイナップル-鉛筆デッサン描き方・制作過程17
明度の低い所はしっかり描いていくことが大切です。
暗いところをしっかり描くことで全体の明度の幅が広がるし、密度を上げることができます。また、パイナップルの重量感も表現できるようになりますし、相対的に葉の質感表現につながっていきます。
パイナップル-鉛筆デッサン描き方・制作過程18
最終段階ではできる限り全体のバランスの狂いを整えて不自然な場所がないようにしたいです。
【終了画像】>>>パイナップル-鉛筆デッサン