デッサンと言う礎 | デッサンの描き方と基礎技法 デッサンと言う礎 | デッサンの描き方と基礎技法

模造紙に右脳でデッサンする

右脳を使って模造紙に自由なデッサンやドローイングを行うことで、理論よりも感性を開放することが可能になります。

子供の遊びと右脳

わたしたちは子供のころ、多くのことを遊びの中で知らず知らずのうちに学んできました。自転車の乗り方や竹馬の乗り方、コマ回しや凧上げなどは、説明されるより実践することで習得してきたと思います。

しかし大人になるにつれて、多くの知識を書物などの言語から習得することで実践せずに満足したり、納得せずには実践しない習慣が身についていきます。

また右脳よりも左脳優位に生活することで、社会的で安全な生活を送ることを可能にしますが、絵画を描くときは左脳の働きが制作を邪魔することになりかねません。

そこで、大きな紙を利用して体を大きく動かしたり、音楽を聴きながら描いたりすることによって、右脳の能力を開放して絵を描いてみてほしいと思います。

ここではある方法論を理解するのではなく、実践してみてどうなるのかが大事なことです。いろいろ試すことで、最終的に「こうしたからこのような絵になった」という意識的な状態から、「どうしてこんな魅力的な絵ができたのだろう」という無意識的な状態へ移行してほしいと思います。

大きな用紙に描く

はじめに、模造紙などの大きな紙に絵を自由に描くことを実践してください。

描く意識としては、絵の描き方など気にしないことです。そして、自由に画材を使い、色や形を思うように感じるように自由に描くことが重要です。

▼用意するもの▼


  1. 大きな紙:模造紙くらいの大きな紙を用意してください。模造紙の大きさ(788×1091mm)。 基本的に面積の大きな用紙があればよいと思います。
  2. 描く道具:何でもよいと思いますが、水彩絵の具のように流動性の高い画材は扱い易いと思います。他にはマジックや色鉛筆、クレヨンなどいろいろ使ってみてください。

▼準備▼


模造紙1枚でも良いですが、大きな面積で描ける環境があれば、2枚をつなげて更に大きくしても良いと思います。そうすれば体全体の動きによって描くことが容易になり、予想外な作品が生まれます。描く環境に合わせて紙の大きさを変えてください。

紙は壁に貼るか、床に広げて、画材を用意して描く準備をします。

▼描くにあたって▼


描き始めますが、特定のものを描くわけではありません。 制限時間はできるだけ2、3時間にして進めてましょう。うまく進められる人は1時間もあれば、自分なりに満足いくドローイングができます。

まず、目の前にある 用紙を眺めてください。何か形や色が見えてきたら、その通りに描いてみます。

描くときのヒントは何も考えないことです。用紙はあなたの心のようなものです。あなたの今の気持ちを感じてみてください。自然と何かを感じることができます。

それでも何も感じられないならば、からだを自由に動かして、その動きのまま筆を手に取り何か一筆描いてみると良いと思います。そうすると画面の中でまた一筆加えたい場所がでてくると思います。素直に描くことが肝心です。

あまり論理的に考えず、赤い色が好きなら積極的に赤を使ったり、円を描くのが楽しければ円を積極的に描くと良いと思います。そこから新たな色や形が見えれば、それを描いてみると良いかもしれません。

どこで終えるか!?


模造紙に右脳でデッサンする描いている絵は、今のあなたの内面性が多く見えてきます。そして描いている絵との対話の中で納得できれば終了です。制作時間を設定するのは、より良く集中するためですから、時間にならなくても自分で納得できれば素直に終了してください。

描いている最中では、常に今以上の絵にする作業が自然に要求されてきますが、行き過ぎれば絵を壊すことになるので、それを見極める感覚もつかめると良いと思います。

終了してみて絵を鑑賞しながら、好きな部分や嫌いな部分を探して、あなたなりの感想を書いてみてもいいでしょう。好きな部分はどうしてそうなったのか?どう描いたのか?など考えてみると面白いかもしれません。

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