マチエールと質感の原点を考える
マチエールは自分の形と色が反映されることで、デッサンや絵画としての絵画空間と質感へと変化して、画面のミクロの範囲まで浸透します。
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マチエールを自分の形と色へ反映させる
マチエールによる絵画空間や質感の表象作用を実現させる原点は一体どこからくるのでしょう。もちろん、テーマ、目的は重要なことです。一つ忘れてはならないのが、あなた自身が持っている形と色です。
マチエールはあなた自身の形と色が反映されて変化し、画面のミクロの範囲まで質感として浸透していかなければなりません。
このときマチエールはあなたと相性の良いものを選ぶ必要があります。例えば日本画より油彩画が好きという人は、その時点である程度自分に合うマチエールを選択していることになります。
アクリル絵具による前ページのマチエールの実験は日本画と油彩画の両方の分野の人において有効なので、自分の形と色を意識して行ってほしいと思います。
余裕がある人は明暗だけでなく、色彩においても試行錯誤を繰り返して、目的の絵画空間と質感を伴ったマチエールを研究してほしいと思います。
マチエールの実験からデッサンへ
実験によって、自分のテーマや色や形を反映させた一貫した構造による絵画空間や質感が実現できるようになったら、デッサンにおいてもその構造を引き継いだ表現を目指してほしいと思います。
このとき、マチエールはアクリル絵具から鉛筆や木炭へと変化しますが、実験によって得られた絵画の構造の仕組みは変化することがないので応用させることができるでしょう。
ジェッソやモデリングペーストから得られていた物質的なマチエールの感触は、デッサンで感じられることはありませんが、デッサンによる平面的なマチエールでも組織的に構造化された絵画空間と質感を実現することができると思います。