基礎的なデッサンからの展開
基礎的なデッサンの形式化した表現を超えるために、自分なりのテーマやイメージを持ち、独自の表現手法を見つけていきましょう。
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一定の形式化した制作手法からの脱却
あなたが様々な要素と構成手法を学んだら、次に行うことは何か考えてみたいと思います。
様々な要素と構成手法を学んだならば、一定の形式化した表現ができるようになり、目の前のモチーフを思い通りに描くことを可能にします。
この時点で多くの人のデッサンの目的が達せられたかもしれませんが、日本画や油画、イラスト、マンガなどオリジナリティを売りにする分野の人たちは、ここで立ちどまってはいけません。
何故なら、ここまでのことができる人は世の中にたくさんいるからです。
しかし、人を感動させるような絵を描ける人は限定されます。個性のあるすぐれた作品の制作はここから始まりまるのです。
これは油画や日本画などのファインアートの分野だけでなく、デザインやマンガなどあらゆる分野でも同様です。
では人を感動させるには何が必要なのでしょうか。
造形の基礎能力が身に付いたなら、自分なりの制作するテーマやイメージを考えるようにするべきです。
そしてテーマやイメージを的確に人へ伝える伝達力が必要になります。
その伝達力を向上させるために、テーマを伝えるための研究が行われ、要素や構成手法が吟味されていきます。
デザインならば、クライアントの意向を受け、消費者を説得できるデザイン案を提示する能力が必要になります。そのためにデザイナーとしての表現へ至るテーマやイメージを持つ必要があります。
マンガなどではテーマに合う描写力とコマ割りなどを研究しなければならないでしょう。
つまり、テーマの研究と、それを実現させる諸要素と構成手法の吟味が重要になってきます。そして、今まで学んだものだけでなく、独自の要素や構成手法を発見し開発することが必要になります。その結果、一定の形式化した表現を超越した独自の表現手法が生み出されます。
独自の表現手法を発見し開発すること
あなたは多くの要素や構成手法を学び、一定の形式化した表現手法を手に入れたとします。そして、独自の表現手法を手に入れようと考えます。
しかし独自の表現手法となる要素や構成手法は本に載っていないし、人から教えてもらうことはできません。当サイトでも具体的なことを教えることはできませんが、そのヒントをお伝えすることはできます。
それは、あなた自身が作品の要素であり構成手法であるという自覚を持つことです。
あなたが経験してきたことを他人は経験していません。あなたが考えたり、思ったり、行ったことを忠実に再現できる人はいません。これと同様に、あなたが描いたり作ったりするものは唯一のものです。
つまり、あなた自身を造形の要素や構成手法の一つとして考えたとき、作品に無限な可能性を与えることができます。
そのためには自分なりのテーマを持ち、より他人との違いを明確にする努力をする必要があります。
そして、あなたのテーマに合う必要な要素や構成手法を吟味するのです。世の中で明らかになっている造形の要素と構成手法は限られたものですが、その組み合わせは無限なのです。その中で自分独自のスタイルを確立すれば、あなたの作品の存在価値は高まるでしょう。