デッサンと言う礎 | デッサンの描き方と基礎技法 デッサンと言う礎 | デッサンの描き方と基礎技法

恒常性

恒常性から感じ取れる心理作用や認知的現象を理解すれば、デッサンや絵画の描き方を飛躍的に発展させることができます。

大きさの恒常性

私達の眼球は写真機の構造とよく比較されます。

大まかには、同じような機能を持っているといえるでしょう。ただ、写真機とはまったく異なる大きな特色があります。

写真機の場合、写真に写るものの大きさは距離に反比例します。ある対象の距離が2倍、3倍になれば、大きさは1/2,1/3と小さくなって写真には写ります。

これに対して、眼球の場合も網膜上に写る大きさは距離が2倍になれば、1/2になります。しかし、私達はその対象が小さくなったとは感じません。

つまり、見ている対象物は距離が変わっても、一定の大きさに知覚される傾向があります。例えば目の前にある15cmの鉛筆の長さが1m先にあっても5m先にあっても15cmの長さとして知覚されます。

これは私達の経験が深く影響していると考えられています。見ている物の大きさが変わっても、経験による記憶と知識によって、同じ大きさのものであると認識されると考えられています。これを大きさの恒常現象といいます。

形の恒常性

私達の眼球に写るさまざまなものは、真正面から見ることもなく、真円形であるもの、矩形であるものを知覚することができる。これを形の恒常といいます。

明るさの恒常性

夜の暗いベランダに干してある白いシャツと部屋の光に照らされた白いシャツは、同じ白いシャツであることを知覚することができます。

光の量によって対象そのものが本来持っている明度が変化しないことを、明るさの恒常現象といいます。

色の明るさを判断する時、色の明るさは反射する物の物理的な光の反射量ではなく、物が光を反射する割合、反射率によって明るさを判断すると考えられます。

色の恒常性

色の明るさだけではなく、色も同様なことがおこっています。

物体の固有色を照明の状況が異なっても、同じ色として認識できる現象を色彩の恒常現象といいます。

物体の固有色は日光などの自然光や室内光などで記憶していて、その記憶している色と環境の変化を手がかりにして、物の色を判断することができると考えられています。

しかし、特殊なライトや色フィルターを通した光源の場合、光と物体の固有色が混色され、恒常性を感じられない場合もあります。

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