デッサンと言う礎 | デッサンの描き方と基礎技法 デッサンと言う礎 | デッサンの描き方と基礎技法

デッサンで立体を感じさせる稜線と陰影

デッサン制作で立体を感じさせるために理解してほしい要素には、対象から感じられる稜線や陰影があります。 この2つの描き方が理解できていれば、対象を立体的に描けるようになります。

デッサンで立体を感じさせる稜線と陰影

デッサンに立体感を与える稜線の描き方[YouTube動画]

デッサンに立体感を与える稜線の描き方につい解説している動画です。

ページの内容と共に参考にしてください。ぜひチャンネル登録お願いします。

モチーフの稜線を探る

稜線とは

稜線とは通常、山の頂上と頂上を結ぶ線のことで、尾根とも呼ばれます。

それに対してデッサンにおける稜線は、立体の面と面の境界や、面の方向が変化する変わり目を表す線になります。

絵を学ぶ初心者にとって『稜線を描こう』などと言われても、稜線って何?という感じになると思います。

『稜線を描く』『稜線を引く』『稜線を表現する』などという言葉は、『モチーフの面の向きが変化する境界に線を描いて立体感を与えていこう』といった意味があります。

立体の面の変わり目に稜線を引く

デッサンでは面と面の変わり目に稜線を引きますが、立方体のように明確に面と面の変わり目が分からない場合、どこに線を入れてよいかわからない場合があると思います。

例えば球体などは、全体がなだらかに面の方向が変化しているので、どこに稜線を引けばよいのか、初心者には見当がつかないと思います。

はじめはどこに線を入れたら面の方向が変化し、立体が感じられるかを模索しながらデッサンをしていくのですが、しだいに、光によって生じるモチーフの明部と暗部を分ける明暗境界線が稜線として重要であることに気が付き始めるでしょう。その点は動画を参考にしてください。

触覚から稜線を捉えて描く

モチーフの形は視覚以上に触覚で理解することができるので、モチーフに触れることができるのなら、積極的にモチーフに触れて形を理解しましょう。

触ることで視覚では感じられない面の方向などが理解できるので、稜線を描くきっかけがつかめると思います。

この触覚による稜線の表現は端的に対象の立体感を伝えることができるので、彫刻作品のような立体を作りたい人は必ず習得したい表現手法です。

稜線を引くコツ

視覚で稜線を捉えるには、面の形状に沿って、陰の変化を感じさせる場所に稜線を描く。

触覚で稜線を捉えるには、触覚で感じられる形の変化を手前と奥とその中間を分けるように稜線を描く。

参考ページ

点・線・面の基本と絵画制作

モチーフの陰影を描く

モチーフの陰影を描くとき、モチーフの固有色も同時に描いていきますが、初心者には簡単な作業ではないので、いくつかの陰影を描くコツを紹介します。

陰影を描くコツ

初心者は固有色と陰影を同時に描こうとするとき、モチーフの細部にとらわれてうまく描くことができません。

この点を克服するには、目を細めてモチーフの大きな明暗を捉えるようにします。

目を細めると明暗の変化が見えてくるので、同時に固有色と陰影を表現することができます。

このような描き方をすることで面の変化が感じられるようになれば稜線を描きながら固有色と陰影を表現することも可能になります。

参考ページ

デッサンと陰影

絵画が思い通りに描けているか確認する方法[YouTube動画]

客観的に制作している絵画を見るための方法について解説している動画です。

絵画が思い通りに描けているか確認する方法

上の動画の内容を簡単に説明します。

絵画を描いていく途中で、モチーフの形や稜線、陰影がしっかり表現されているか確認する方法を4つ紹介します。

目を細めて絵画を見る

陰影を描くときにも紹介しましたが、目を細めて絵を見ることで、絵から得られる情報量を少なくし、思うように絵が描かれているか確認することができます。

逆さにして絵画を見る

描いている絵を逆さまにすることで、描かれた対象の形や陰影などがおかしくないか確認することができます。

離れて絵画を見る

描いている場所から離れて遠くから絵を見ると、自分の絵を他者の視点に立って客観視することができます。

鏡に映して絵画を見る

鏡に絵を映すことで、左右反転して映った作品を離れて客観視することができます。

以上の4つの方法を使って、客観的に自分の絵画が思い通り描けているか監視するようにしましょう。

2023年1月24日執筆公開

デッサンの描き方と基礎技法-目次