デッサンで立体を感じさせる稜線と陰影
デッサン制作で立体を感じさせるために理解してほしい要素には、対象から感じられる稜線や陰影があります。 この2つの描き方が理解できていれば、対象を立体的に描けるようになります。
このページの目次
モチーフの稜線を探る
稜線とは
稜線とは通常、山の頂上と頂上を結ぶ線のことで、尾根とも呼ばれます。
それに対してデッサンにおける稜線は、立体の面と面の変わり目を指していて、立体を感じさせる重要なラインを指して呼ばれます。
絵を学ぶ初心者にとって『稜線を描こう』などと言われても、稜線って何?という感じになると思います。
『稜線を描く』『稜線を引く』『稜線を表現する』などという言葉は、『面と面の変わり目を線などで表現し、立体を感じさせる』という意味があります。
立体の面の変わり目に稜線を引く
デッサンでは面と面の変わり目に稜線を引きますが、立方体のように明確に面と面の変わり目が分からない場合、どこに線を入れてよいかわからない場合があると思います。
例えば球体などは、全体がなだらかに面の方向が変化しているので、どこに稜線を引けばよいのか、初心者には見当がつかないと思います。
はじめはどこに線を入れたら面の方向が変化し、立体が感じられるかを模索しながらデッサンをしていくのですが、はじめは失敗を繰り返しながら感覚を養わなければなりません。
もし、モチーフに触れることができるのなら、触ることで視覚では感じられない面の方向などが理解できるので、線を入れるきっかけがつかめると思います。
この稜線の表現は視覚では平板に見える対象の実際の立体が表現できるので、彫刻作品のような立体を作りたい人は必ず習得したい表現手法です。
稜線を引くコツ
面の形状に沿って、陰影の変化を感じさせる場所に稜線を引いてみる。
手前と奥とその中間を分けるように稜線を引いてみる。
光や影で形が見えづらいけれども、手で触ったときに感じられる形の変化を稜線で表現してみる。
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モチーフの陰影を描く
モチーフの陰影を描くとき、モチーフの固有色も同時に描いていきますが、初心者には簡単な作業ではないので、いくつかの陰影を描くコツを紹介します。
陰影を描くコツ
初心者は固有色と陰影を同時に描こうとするとき、モチーフの細部にとらわれてうまく描くことができません。
この点を克服するには、目を細めて大きな陰影を捉えるようにします。
目を細めることで陰影の変化が見えてくるので、同時に面の変化も感じられるようになります。
面の変化が感じられるようになれば稜線を描きながら陰影を表現することが可能になります。
稜線と陰影の変化が的確に表現されればリアルな表現に使づいていきます。
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正しく対象が表現されているか確認する方法
デッサンを描いていく途中で、モチーフの形や稜線、陰影がしっかり表現されているか確認する方法はいくつかあります。
絵を逆さにして見る
描いている絵を逆さまにすることで、描かれた対象の形や陰影などがおかしくないか確認することができます。
目を細めてみる
陰影を描くときにも紹介しましたが、目を細めて絵を見ることで、絵から得られる情報量を少なくし、思うように絵が描かれているか確認することができます。
離れて絵を見る
描いている場所から離れて遠くから絵を見ると、自分の絵を他者の視点に立って客観視することができます。
鏡に映して絵を見る
鏡に絵を映すことで、左右反転して映った作品を離れて客観視することができます。
2023年1月24日執筆公開