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対象の形を正確に早く描く方法

対象の形を正確に早く描くためには、道具に頼らず自分の感覚で対象の形態を捉える訓練をすることです。その方法とコツをいくつか紹介します。

対象の形を正確に早く描く方法

対象の形を正確に早く描く方法[YouTube動画]

道具に頼りすぎないで、対象の形を正確に早く描く方法について解説している動画です。

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対象の形を捉える道具

目の前にあるモチーフの形を正確に描くとき、計測に使用される道具には主に2つあります。

1つは測り棒で、もう1つはデスケルです。

測り棒の主な使い方

測り棒はモチーフの縦と横の比率をはかって形を描いていくときに使用されます。

また特殊な使い方では、測り棒を2本用意して、立方体が透視図法によって正確に描かれているかを確認することにも使用されます。

デスケルの主な使い方

デスケルは描いている基底材(画面)の比率と同じものを用意します。

デスケルは基底材と同じ比率の透明な面を通すことで、モチーフの形だけでなく構図を同時に捉えることができます。

透明な面には等間隔に線が引いてあるので、基底材(画面)に同じ等間隔の線を引いておけば、線を頼りに正確に対象の形を捉えることができます。

参考ページ

はかり棒の使い方と特徴
デスケルの使い方と特徴

道具を使わずに形を捉える

デスケルは対象の形を捉えたり、構図を決定したりするのに便利ですが、デメリットもあります。

もっとも大きなデメリットは、形を捉える感覚が損なわれ、成長しないことです。

初心者にとっては形を捉える感覚って何?と思うでしょうが、うまい人は道具など使用せず描く対象を観察するだけで、描きたい構図がイメージでき、正確に形を描くことができます。

このような能力を鍛えるためにはデスケルの使用はあまりお勧めできません。

ただ、測り棒はおおまかな比率を捉えるときや、感覚的にとらえた形の比率が正確なのかを確認するために補助的に使用します。

形を捉える能力を高める方法

対象の形を捉える能力を高めるために2つの方法をおススメします。

1つはクロッキーで、もう1つはエスキースです。

それぞれについて詳しく解説します。

クロッキーを行う

絵を描くとき早く正確に対象の形を捉えることができると絵画制作がスムーズにいきます。

このような能力は主にクロッキーを行うことで高めることができます。

クロッキーでは人物クロッキーがよく知られていますが、静物を描くときにもクロッキーの意識で描くことができれば、形を捉える能力は向上します。手のクロッキーもおススメです。

クロッキーをする時、守ってほしいことは時間制限を設定することと、用意したクロッキー帳の大きさに合わせて構図を決定していくことです。

そして、デスケルは使用せず、測り棒は比率を確認するときにだけ使用してください。

クロッキー帳のサイズは対象の大きさに合わせるとよいですが、静物を描くならF6サイズのクロッキー帳、人物を描くならB3サイズのクロッキー帳がおススメです。

クロッキーは決められた時間のなかで1つの作品を描くように意識して取り組むと、形だけでなく総合的な描写力が向上します。

エスキースを行う

エスキースは本画を描く前に、どのような絵を描こうとするのか考察した下絵になります。

エスキースでは対象全体を本画よりも小さい画面に描写するので、構図はトリミングして決定します。

絵を描くたびにエスキースを行えば、対象全体が素早く描けるようになり、構図を決定する感覚が身につくようになります。

エスキースでは対象をしっかり分析するようにしましょう。

参考ページ

クロッキーの基本と描き方
エスキースとは何か

形を正確に描くためのコツ

形を正確に描くコツは主に2つあります。

1つは形を単純化して見ることで、もう1つが図と地(虚と実)を意識して形を観察することです。

形を単純化して捉える

形を単純化して捉えるためには、対象全体の大きな形を捉えるようにします。

その際、感覚的に描きながら、測り棒を使って正確に描けているか確認するようにしましょう

その後、徐々に小さい形を捉えて描いていければ、細かい部分まで正確に形が捉えられるようになります。

図と地を意識して形を観察する

図と地の形をそれぞれ意識して観察すれば、構図に対する意識が向上し、形を描くスピードは上がります。

初心者の人は対象の形にばかり固執してしまいがちですが、対象の背景である地の形に意識を向けることができれば、より正確に形を捉えることができるようになります。

測り棒を使用するときも図の比率だけでなく、地の比率も見るようにしましょう。

このような図と地の意識は構図を決定するときの能力を高めることにもつながるので、ぜひ意識してほしいと思います。

参考ページ

図と地

2023年1月23日執筆公開

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