ナビ派-装飾性と表現性|芸術って何だ!|デッサンと言う礎

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ナビ派-装飾性と表現性

芸術って何だ!【デッサンと言う礎】

ナビ派は、世紀末のパリにおいて結成される。ポール・セリュジュ(1863-1927)、ピエール・ボナール(1867-1947)、エドワール・ヴァイヤール(1868-1940)、モーリス・ドニ(1870-1943)、ポール・ランソン(1864-1909)などが集まって、この前衛芸術グループが結成される。彼らは、Nu a Contre-Jour Ou L'eau De Cologne-ボナール作 画面の二次元性の尊重と、造形要素そのものの表現力において、絵画表現の上での装飾性と表現性の二つの重要な特色をクローズ・アップさせる。ナビ派は、この二つの特色をはっきりと兼ね備えた芸術家グループの最も代表的なものであった。
ナビ派の誕生のきっかけは、ポール・セリュジュがゴーギャンに絵画の教えを受けたことにある。それは「あまり自然に即して描いてはいけない。自然に存在しないような鮮烈な色彩を思い切って用いるように。」という教えであった。 

ナビ派の中で最も絵画の歴史の上で成果をもたらしたのは、ボナールとヴァイヤールである。
ボナールは、日本の浮世絵に多くの影響を受けた。画面の二次元性を強調し、平坦な色面配合による強い装飾的効果を目的としたナビ派の美学は、浮世絵に深く通じるところがあった。また、ボナールは、彼独自の多彩な色彩力を発揮することで20世紀における色彩の開放を促す役割を担った。
ヴァイヤールは、ボナールと比べれば渋い色彩の調和によって画面を構成した。The Goose, c.1890-91-エドワール・ヴュイヤールその構成は大胆なコンポジションや、色彩同士の響き合いをうまく取り入れた。

ナビ派の中でも理論家であったモーリス・ドニは、ナビ派の美学を次の有名な一句に要約している。「絵画作品とは、裸婦とか、戦場の馬とかその他何らかの逸話的なものである前に、本質的に、ある一定の秩序のもとに集められた色彩によって覆われた平坦な面である。」
この言葉は、20世紀絵画の出発の宣言ともいうことができる。それは絵画のあり方において、絵画の本質である二次元性と、造形要素の自律性を確立するものであった。
しかし、絵画に統一性を与えた人物、風景、静物がない中で、あらたな統一原理が要求された。ドニは必要な統一原理は漠然と「ある一定の秩序」といっている。母と子, 1895-モーリス・ドニ
「ある一定の秩序」とは、多種多様に存在するものであり、人それぞれが違うものでもある。だから、決まりきった秩序をしなければいけないということはない、という意味を含んでいる。この言葉は、20世紀の方向性を暗示し、進むべき道の多様性、豊饒性を保障するもので、後にキュビズム、フォーヴィズム、抽象絵画を支える理論的な支柱となった。

そして、20世紀絵画で最初に登場するのが色彩表現を中心とした「秩序」とするフォービズムであった。それは、人間の内的心情の表現であるゴッホのような表現主義的な信条と、ナビ派を通して継承されたゴーギャンの装飾性とが一つに結びつけられたとき、色彩の持つ表現力を極度に歌い上げようとするフォービズムの美学であった。20世紀絵画は色彩の開放からはじまるのである。

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