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三角形の構図を分析する

三角形の構図の特徴

絵画にみられる三角形の構図の特徴、心理作用を4枚の絵画から理解しましょう。

三角形の構図はピラミッド型の構図とも呼ばれ、安定感のある構図として知られています。

プラミッド型の構図は、絵画全体を支配するような大きく安定的な三角形が認められます。

ラファエロ・サンツィオ『草原のマドンナ』の三角形の構図

ラファエロ・サンツィオ『草原のマドンナ』1506年頃
ラファエロ『草原のマドンナ』1506年頃

ラファエロ・サンツィオ『草原のマドンナ』の三角形の構図
ラファエロ『草原のマドンナ』の三角形の構図

この絵画は三角形、プラミッド型の構図としてよく知られています。

レオナルド・ダ・ヴィンチの構図の影響も感じさせるこの三角形の構図はルネサンス期によく採用されました。

シンメトリーの三角形の構図は安定感を感じさせるとともに、左側へ少しずらしていることで動きを感じさせています。

ポール・セザンヌ『大水浴図』の三角形の構図

ポール・セザンヌ『大水浴図』1906年頃
セザンヌ『大水浴図』1906年頃

ポール・セザンヌ『大水浴図』の三角形の構図
セザンヌ『大水浴図』の三角形の構図

セザンヌのこの絵画は、『構図の斜線を分析する』でも分析しましたが、三角形の構図でも重要な絵画なので取り上げました。

この絵画は写実的絵画と比較すれば平面的に描かれていて、赤い線で引かれた三角形の構図を境に図と地の反転現象を認めることができます。

そして人物で群化された緑色の三角形が赤い線の三角形とのバランスを保ち、赤い線の三角形の構図をより安定的にしています。

赤い線で引かれた大きな三角形の構図は中央に描かれているので、さきほどのラファエロの絵画と比較すると左右に動きは感じられません。

ポール・セザンヌ『リンゴとオレンジのある静物』の三角形の構図

ポール・セザンヌ『リンゴとオレンジのある静物』1895-1900年
セザンヌ『リンゴとオレンジのある静物』1895-1900年

ポール・セザンヌ『リンゴとオレンジのある静物』の三角形の構図
セザンヌ『リンゴとオレンジのある静物』の三角形の構図

こちらも『構図の斜線を分析する』で取り上げたセザンヌの絵画です。

この絵画は左右に違う大きさの三角形が認められるので大きな動きを感じさせます。

そして、画面からはみ出す逆三角形が認められるので、上下への動きも強く感じさせます。

このように大きな動きのある構図ではあるものの、ピラミッド型の構図を平面的にバランスよく組み合わせているので、安定的に見ることができます。

テオドール・ジェリコー『メデューズ号の筏』の三角形の構図

テオドール・ジェリコー『メデューズ号の筏』1819年
ジェリコー『メデューズ号の筏』1819年

テオドール・ジェリコー『メデューズ号の筏』の三角形の構図
ジェリコー『メデューズ号の筏』の三角形の構図

この絵画は重層的に三角形、ピラミッド型の構図が組み合わさっています。

単純に構図を見た場合、赤い線の三角形と緑の線の三角形がバランスを保っているように感じます。

しかし、筏のロープの配置が三角形の構図に感じられるし、最上段で布を掲げている人を頂点にしてピラミッド型の構図が感じられるので違う見方もあると思います。

何よりもこの重層的な三角形の構図と荒れ狂う海との対比によって、漂流する人物たちの過酷な運命を感じさせているのが圧巻です。

三角形の構図の特徴 - まとめ

  • 三角形の構図はピラミッド型の構図とも呼ばれ、絵画に安定感を与える。
  • 三角形の構図は絵画に大きな構造を与える。
  • 三角形の構図は逆三角形や大きさの違う三角形と組み合わせることで、安定感を保ちながら画面に動きを与えることができる。
  • 三角形の構図を重層的に組み合わせることによって、複雑な対象をバランスを保ちながら描くことができる。

参考画像

  • ラファエロ・サンツィオ『草原のマドンナ』,1506年頃,油彩,ポプラ板,113×88.5cm,美術史美術館(ウィーン)
  • ポール・セザンヌ『大水浴図』1906年頃,油彩,キャンバス,208×249cm,フィラデルフィア美術館
  • セザンヌ『リンゴとオレンジのある静物』1895-1900年,油彩,キャンバス,73×92cm,オルセー美術館
  • テオドール・ジェリコー『メデューズ号の筏』1819年,油彩,キャンバス,491×716cm,ルーブル美術館

2022年9月執筆公開

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