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構図とは何か!?

絵画における構図は、絵画全体を支える構造を持つ、絵画の要素を支える骨組みです。構図は下絵で決定される場合もあれば、描き進めていく中で変更されたり付け足される場合があります。

構図と構成、コンポジションとは

構図と構成は、どちらも英語では[composition]と訳されますが、構成と構図は異なる言葉として理解しておくべきでしょう。

簡単にそれぞれの言葉を定義すると、構成は絵画を制作するためにテーマに沿って造形の要素を組み合わせることです。

一方、構図はその結果できる絵画全体の構造となる組織的な線や形、図形のことを指します。

この線や形、図形によってできる構図は偶然できるものではなく、下絵などで描く前にさまざまに計算されます。

構図に見られる構図の分割線は構成手法の要素として捉えるとわかりやすいかもしれません。

構成手法によって生まれる構図は心理的作用をもたらすので、画面を分割する線を計算しておく必要があります。

また計算されて描かれる途中で構図の変更が行われることもあります。

その場合、形の変更や付け足しは、絵画全体のリズムやプロポーション、バランスがテーマや目的に向かって、より良くなることを想定して行われていきます。

構図を形成する線や面、図形、色彩が複雑に組み合わさって形成されるリズムやプロポーション、バランスは絵画を特徴づけるものです。

そのとき線のコンポジション、明度のコンポジション、色彩のコンポジションのように諸要素に分けて構図を考える場合があります。

構成、構図、コンポジションの定義のまとめ

  • 構成…絵画のテーマや目的のために造形の要素を組み合わせること。
  • 構図…絵画の構造となる組織的な線や形、図形。造形要素の一つ。
  • コンポジション…コンポジションを直訳すれば構成であり構図ですが、線のコンポジション、色彩のコンポジションのように、主要な要素のリズムやバランス、プロポーションを指す場合があります。造形要素の一つ。

制作された絵画作品にある線や形、図形、色彩を読み取る能力が高まると構図やコンポジションを理解することができます。

そして、構成によって生じる構図やコンポジションが理解できるようになると構成する能力が高まります。

絵画の構図法

構図を考えるための構図法は、絵画全体の線や形、図形、色彩を組み合わせる方法です。

このとき構図の諸要素にあるリズムやプロポーション、バランスをコントロールすることで絵画が特徴づけられます。

この構図法は具象絵画と抽象絵画で異なる面があるので、それぞれの違いを次に探ってみたいと思います。

構図と構成の参考ページ

具象絵画の構図

具象絵画では、モチーフ相互の関係やモチーフと背景との関係が直接構図として表れます。

そのため、テーマに合わせて何をどのような大きさで何と組み合わせて配置するのか考えることは重要です。

この時、絵画全体の大きな構造を形成する線、形、図形を考え、さらに細かい線や面、色彩などが作るリズムやプロポーション、バランスを考慮するようにします。

静物画の構図を考える

例えば果物を描くとき、果物だけでは球体が多く直線的な要素がありません。

そのような場合は直線の要素が強いテーブルや窓、瓶などをうまく組み合わせて構図を組み立てることになります。

同じような球体の果物に変化を与えるためには、果物をまとめて群化したり、包丁などでカットするなどして変化させる場合もあります。

絵画の骨組みにあたる大きな線や形が構築できたら、更にモチーフの線や面、色彩が作るリズムやプロポーション、バランスを整える必要があります。

例えば赤いリンゴと黄色いオレンジの配置を考えることは、絵画全体における色彩のリズムとバランスを考えることになります。

このように構図は画面全体の骨格から細かい造形要素のリズムやプロポーション、バランスを見るようにします。

具象絵画の構図を考える視点

モチーフを配置するとき、画面に生まれる縦と横、斜めなどの動きを意識するとよいでしょう。

そのとき画面の奥行きも考慮して構図を工夫します。

奥行きは基本的に近景、中景、遠景に大きく3分割するようにします。

奥行きに対する意識が身につくと、二次元的な構図の思考と共に三次元的な構図の思考も育つようになります。

抽象絵画の構図

抽象絵画では、具体的なモチーフがないため、具象絵画と比較すれば構図の自由度が高くなります。

自由であるとはいえ、テーマや目的のある線や形、図形を組み合わせて構図を構築しなければなりません。

その時、具象絵画と同様に、線や形態による縦、横、斜めなどの画面の動きは重要です。

特に抽象絵画では具象絵画以上に、構図によるリズムやプロポーション、バランスを意識する必要があります。

線や形、図形、色彩によるリズムやプロポーション、バランスをテーマに合わせてコントロールしていきましょう。

抽象絵画は具象絵画のように具体的なものを描くことによって得られる感動や作用がないので、点・線・面、色彩などの組み合わせがつくる心理作用を駆使していかなければなりません。

コンポジションの考え方

具象絵画も抽象絵画もコンポジションを考慮することが必要です。

コンポジションは絵画全体のリズムやプロポーション、バランスになります。

数値的な分割によるコンポジション

数値的な側面で有名な絵画のコンポジションを分析すると、黄金分割で区切られた構図などが発見されています。

多くの絵画は感覚的に描かれた結果として、そのような数値的な分割によるコンポジションが発見されてきました。

しかし今日の現代絵画では、あらかじめ数値的な計算を行ったコンポジションにモチーフを当てはめて描く方法も一般的になりました。

明度と色彩によるコンポジション

明度によるコンポジションは、明るい面と暗い面が作る配置によって生まれるバランスを考慮します。

明るい面は抵抗感があり、暗い面は抵抗感が弱くなるのでそれらを交互に配列する表現などがあります。

色彩によるコンポジションは同一色の配置の方法や、その反対色の配置の方法などによって生まれる心理作用をコントロールすることになります。

2020年11月8日執筆公開

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